『シルミド / SILMIDO』
2004年12月19日 韓国映画1968 年4月、死刑囚ら31人の重犯罪者たちが無人島のシルミ島に送られた。そこで彼らは刑の帳消しと引き換えに、北朝鮮の最高指導者・金日成の暗殺を命じられ、極秘の暗殺部隊へと成長していく。だが政府の外交政策の転換で暗殺計画は中止。しかも政府はこの部隊の抹殺を軍に命じるのだった…。
実在した684部隊が起こした衝撃の事件をもとに作られたこの映画は、見ているだけで鼻息が荒くなるほどの怒りに突き動かされる。お国の方針変換で祖国統一のための英雄から、まるでゴミくずの扱いへと変わる兵士たち。その姿があまりにも痛々しい。いつの世も犠牲になるのは末端の人間なのだ。この映画は、上司の一言で簡単にリストラされ、政治家の判断ひとつで戦争に突入しかねない現代に、まさにピッタリの文字通りの問題作だといえる。
この解説の通り、何のために死にものぐるいでがんばり、なのに、切り捨てられる、その理不尽さがひしひしと伝わってくる。
陸地に国境のない日本では、この感覚は持てないのかもしれない。朝鮮半島ではそれは、歩いていけば、泳いでいけば、目の前にあるものなのだろう。
決して、日本では作れない映画。
出演する俳優達のうまさ、すごさ、それだけでも見る価値有りです。
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これを見た後に
『シルミドの呪い』
見なきゃよかった。これ、大学のサークルが作ったビデオ?って思うくらい安直な作り。
これじゃ『シルミド』のそうそうたる俳優達に失礼だよ〜
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